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昨年11月に行われたオランダでの総選挙の結果を受け、この7月に新しい内閣が発足しました。これに伴い、当局NFIAに実務を委託する「経済・気候政策省」は名称変更し「経済省」となりました。気候政策に関してはより深くその活動に焦点をあてるため「Ministry of Climate Policy and Green Growth」として新たに省が独立しました。今後当局は日本語名を「経済省 企業誘致局」とし引き続き活動を続けてまいります。
また当局は今月より新たな駐日代表として Edo de Ronde を迎えております。ニュースレターの後半に本人から皆様へのご挨拶を掲載していますので、ぜひご一読ください。
これから2024年第三四半期に入りますと、オランダから各種代表団の来日が増えてまいります。代表団は日本の企業の皆様と直接ビジネスのお話ができることを大変楽しみにしています。この貴重な機会を十分にご活用いただけますと幸いです。
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オランダ経済省 企業誘致局 (NFIA)
Netherlands Foreign Investment Agency - Japan
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【今号のニュースレタートピック】
~ News ~
- オランダ新政権、ディック・スホーフ内閣発足
- 欧州委員会、オランダの脱炭素化支援策を承認
- 欧州委員会、オランダの再生可能水素補助金を承認
- オランダ政府、グリーンテック製造業を支援
- 企業向けの法改正と新規制定
~ Investment ~
- 三菱マテリアル株式会社、欧州地域統括会社を設立
- 双日株式会社、戦略的パートナー契約を締結
- 株式会社技研製作所、世界遺産運河の護岸改修PJ商業化へ
- 日本郵船株式会社、風力推進アシスト装置を搭載
- 富士フィルムビジネスイノベーション、資源循環を促進する生産拠点を開設
~ Innovation・Digitalization・Sustainability ~
~ ご挨拶 ~
- 駐日オランダ王国大使館 新・特命全権大使 ヒルス ベスホー プルッフ
- オランダ経済省 企業誘致局 新・駐日代表 エド・デ・ロンデ
注目コンテンツ
- [冊子] 生命科学と健康医療
- [冊子] 臨床研究
- [動画] サイバーセキュリティ
- [動画] 半導体のイノベーション
- [冊子] 量子技術
- [動画] 最先端量子技術
今後のイベント
過去のイベント
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~ News ~
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オランダ新政権
ディック・スホーフ内閣発足
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公共の利益に全身全霊を注ぐ |
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7月、ウィレム・アレキサンダー国王陛下出席のもとにハウステンボス宮殿で行われた宣誓式を経て、スホーフ政権が正式に誕生しました。新政権は自由党(PVV)、自由民主人民党(VVD)、新社会契約党(NSC)、農民市民運動(BBB)の連立政権で、16人の大臣と13人の国務長官によって構成されます。
ディック・スホーフ首相は無党派で内閣を統括し、王室メンバーの行動への責任と、国際情勢にも積極的な役割を果たしつつ総務大臣も兼務します。PVVは5人の大臣と4人の国務長官を、VVDは4人の大臣と3人の国務長官を、NSCは4人の大臣と3人の国務長官を、BBBは2人の大臣と3人の国務長官を擁します。(テウン・ストリュイケンはNSCの国務長官ですが党員ではありません)
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欧州委員会
オランダの脱炭素化支援策を承認
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ネットゼロ経済移行に向けた国家戦略の達成を後押し |
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欧州委員会(EU)はネットゼロ経済への移行を促進するため、暫定危機・移行枠組み(TCTF)に基づき、工業生産プロセスの脱炭素化への投資を支援する7億5000万ユーロのオランダの計画を承認しました。工業生産プロセスからの温室効果ガス排出量を現在より少なくとも40%削減するよう奨励するこのスキームは、工場を運営する国内企業の施設の電動化を支援するものであり、2030年までに産業界からの温室効果ガス排出量を400万トン削減するという国家戦略の達成を後押しします。
補助金は企業側からの申請によって直接交付され、1社当たりの受給額は最大2億ユーロとし、期限は2025年末まで、補助には実際の排出量削減を確保するための条件が課されます。
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欧州委員会
オランダの再生可能水素補助金を承認
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オランダとEUの気候目標に貢献 |
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欧州委員会(EU)は、オランダ政府が計画する再生可能水素の生産に対する国家支援9億9800万ユーロを、欧州連合国家補助法に基づき承認しました。この措置は、欧州グリーンディール、並びに欧州水素戦略と、欧州のロシア産化石燃料への依存を減らしグリーン移行を加速するというREPowerEU計画目標に、それぞれ貢献すると判断しています。オランダ政府はこの補助金により、少なくとも200MWの電解槽能力を有する生産設備の建設を支援します。
この制度は、2025年までに500MW、2030年までに3~4GWの電解容量を達成するというオランダの目標に貢献するとともに、2024年までに少なくとも6GW、2030年までに少なくとも40GWの再生可能水素電解装置を設置するというEUの目標にも貢献します。これにより2030年までにオランダは毎年約55キロトンのCO2回避を期待し、オランダとEUの気候目標達成を目指すとしています。
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オランダ政府
グリーンテック製造業を支援
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総額1億4800万ユーロの国家成長基金プロジェクト |
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オランダ政府は国内の産業・経済のグリーン化を促進するため、グリーン水素生産に必要な電解槽や、革新的な太陽光パネル、バッテリー関連製品の製造など、高品質のグリーンテクノロジーを手がける企業に対し、生産ラインへの投資に対する直接的な財政支援を行う投資補助金スキームIMKEを導入して大規模生産を刺激します。条件を満たす企業は、2024年10月1日から2025年1月31日までオランダ企業庁(RVO)に申請書を提出することができます。
この計画は、GroenkrachtNL (グリーン水素)、SolarNL (ソーラー パネル)、および Materials Independent and Circular Batteries (バッテリー) の 3 つの国家成長基金プロジェクトから資金提供されています。
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企業向けの
法改正と新規制定
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法律・規則等の改正および新規制定に関する情報公開サイト |
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Business.gov.nl は、オランダで事業を行う外国人事業主のための総合窓口です。政府機関や準政府機関と協力し、法律、規則、規制、補助金などに関する情報を提供しています。このページは、事業主に関係する情報に加え、業界別に制定される固有のものも公開しており、その一部を以下にご紹介します。
- 労働法関連
[最低賃金調整]
2024年7月1日調整後の新最低時給:13.68 ユーロ(21 歳以上)
[低所得者被用者手当(LIV)]
2025年までに完全廃止
- 輸出入関連
[輸出入申告の不正行為に対する罰金]
刑事訴追に代わり行政罰が適用
[EU森林破壊防止規則(EUDR)]
2024年12月30日から適用開始
*上記は2024年8月末時点での情報です。情報は常に更新されますので最新情報はBusiness.gov.nlにてご確認ください。
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~ Investment ~
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三菱マテリアル株式会社
欧州地域統括会社を設立
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欧州各事業会社で事業部門の垣根を超えたシナジー創出戦略 |
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「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを目指す三菱マテリアル株式会社は、欧州における同社グループ全体の統括を行うことを見据えMitsubishi Materials Europe B.V.をアムステルダムに設置しました。市場規模が大きく、環境や重要鉱物資源確保に関する政策などにおいて世界最先端の欧州地域に拠点を設け、事業戦略を立案、迅速かつ的確に展開し、資源循環ビジネスの競争力を一層強化するとしています。
オランダには、志の高い企業がビジネスを加速させ、すべての人々にとってより良い未来をつくるためのソリューションを共創できる環境があります。また、こうした目標を共に目指す国際企業を歓迎しています。
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双日株式会社
戦略的パートナー契約を締結
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世界の船舶解体作業と鉄鋼業界が抱える2つの社会課題の解決に向けて |
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株式会社技研製作所
世界遺産運河の護岸改修PJ商業化へ
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圧入技術によって世界の建設課題の解決に貢献 |
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株式会社技研製作所のグループ会社 Giken Europe B.V. と、オランダの建設会社2社で構成される合弁会社 G-Kracht B.V. は、木杭の腐食や洗堀で護岸の崩落が相次ぐ世界遺産「アムステルダムの運河」の改修新技術開発プロジェクトにおいて、同社が有する圧入技術を使ったパイロット施工を完了し、発注者であるアムステルダム市からその評価を受け、商業化フェーズのフレームワーク合意を締結しました。
欧州各国が抱えるインフラ老朽化問題は、生活道路や駐車場、居住地区での騒音、地下インフラ、樹木、景観維持の難題に加え、気候変動対策等、従来工法では解決が難しいとされています。そこでアムステルダム市は全く新しい建設のイノベーションを試みるべくこれを行政からの請負工事に留めず、発注側も一体となり設計開発から挑む"新しいものづくり"という観点で新技術を公募。世界に注目される重要大型案件となっています。
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日本郵船株式会社
風力推進アシスト装置を搭載
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翼の気圧差で生み出される推進力で温室効果ガス削減へ |
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外航海運事業におけるGHG削減長期目標「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」に向けた取り組みを行う日本郵船株式会社は、その活動の一環としてグループのNYK Bulkship (Atlantic) N.V.が保有するばら積み船へ、オランダのEconowind B.V.社製風力推進アシスト装置「VentoFoil」(ヴェントフォイル)2基を搭載する工事をロッテルダム港で完了しました。
同社グループ初の試みとなるヴェントフォイルは、船上に約16メートルの翼を立ち上げ、サクション・セイルの役割を果たし、吸引することで約5倍の力を生み出す装置です。同社は得られた知見を研究開発に活かし、風力の利用を含めたさまざまな省エネ技術に関する取り組みを推進するとしています。
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富士フイルムビジネスイノベーション
資源循環を促進する生産拠点を開設
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トナーカートリッジの回収・再生からスタート |
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1995年に全社リサイクル方針「限りなく『廃棄ゼロ』を目指し、資源の再活用を推進する」を定め、商品企画、開発、製造から廃棄に至る商品のライフサイクル全体を視野に入れた循環型システムを構築する富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が、オランダにサーキュラー・マニュファクチャリング・センターを開設しました。これまで日本国内を中心に進化させてきた資源循環の技術やシステムを欧州地域でも展開し、サーキュラーエコノミーへの移行促進に貢献しながら、欧州地域向け商品の生産と再生に取り組みます。
欧州の中心地であり、ビジネスの戦略的立地にあるオランダは、使用済み商品の回収及び商品を販売する輸送効率の観点からも資源循環を促進する生産拠点に適するとし、これまでの環境負荷低減活動をより一層強化するとしています。
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~ Innovation・Digitalization・Sustainability ~
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オランダの食品代表団
日本との協力関係を確立
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次世代のフードイノベーションに向けた両国の協力機会を議論 |
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~ ご挨拶 ~
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駐日オランダ王国大使館
新・特命全権大使
ヒルス ベスホー プルッフ |
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日本の皆様、初めまして |
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新しく特命全権大使を拝命しましたヒルス ベスホー プルッフと申します。私と妻は5月末に来日し、この7月に行われた天皇陛下への信任状捧呈を経て正式に着任いたしました。日本に駐在する大使としての任務は多岐にわたります。貿易、イノベーション、投資、世界的課題に向けた政治的調整、防衛協力にいたるまで、科学・文化的側面を踏まえつつ、これから活発かつ建設的に取り組んでまいります。
ご承知のとおりオランダと日本の関係は400年以上も前にさかのぼり、2世紀以上にわたりオランダは日本にとって欧州への玄関口として機能し、貿易、科学、文化は蘭学として日本に伝わりました。この類まれな歴史のもと、現在も両国の結びつきは良好に保たれ、オランダには多くの日本企業や機関があり、逆もまた然りです。
世界の社会課題を解決に導く日本企業の皆様にとって、オランダに拠点を開設し、欧州での継続的な事業を行う上で、オランダ経済省企業誘致局(NFIA)はその窓口としてかけがえのない組織です。今後も経済的な両国のつながりをより一層深めていく活動が続くように願っています。
来年2025年は大阪・関西万博が開催されます。気候変動、エネルギー転換、食料安全保障、グローバルヘルスなどの様々な世界的課題を解決するために、オランダの強みであるコラボレーションとパートナーシップを活かし、皆様とさらに深い絆を築いてまいりたいと思います。
今後、皆様に直接お目にかかり、お話ができる機会を心から楽しみにしています。
ヒルス ベスホー プルッフ - Gilles Beschoor Plug
駐日オランダ王国大使館 特命全権大使
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オランダ経済省 企業誘致局
新・駐日代表
エド・デ・ロンデ |
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お会いできることを楽しみにしています! |
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皆様、私はエド・デ・ロンデ(Edo de Ronde)と申します。私はこの度、経済省 企業誘致局(NFIA)の中東・北アフリカ地区代表としての任期を終え、9月からは日本の代表を務めることになりました。先日家族とともに4年間住んだドバイを離れ、来日後に早速妻と子供たちは東京の街を散策しながら新しい家探しをしています。これまで何度か仕事で東京を訪れたことがありますが、これからは家族とともにここへ住むことによって、やがて日本を我が家と感じるようになりたいと思っています。
オランダ人が出島経由で日本との貿易を開始して以来、両国間の関係は深い友情とともに発展してきました。今日に至っても私たちは世界的な課題を共に解決するという共通の目標を共有し、あらゆる分野で知識と経験の交流を行っています。現在オランダで活動する日本企業は700社を超え、一方日本でも多数のオランダ企業が活動し、両国の絆は強固です。私はパイオニアのMIDIハイファイセットで音楽を聴いて育ち、当時はフィリップスよりもソニーとJVCを好んでいました。日本の価格の良さと品質の高さ、イノベーションは今も世界をリードしています。
私の使命は、日本企業の皆様から学び、それをオランダ側の適切なところへとつなげ、さらなる関係発展を促進すること、さらには将来性あるイノベーションがもたらされるようサポートすることです。オランダと日本は今後も長きにわたって互いに提供しあえるものがたくさんあります。私はチームとともに皆様のビジネスがオランダで、ひいてはその先へと成長を遂げるご支援ができることを楽しみにしています。
最後に、駐日代表として6年間日本のチームを率いてくれた前任のヨルン・ボクホベンに感謝の意を表します。NFIAの駐印代表として新天地インドでも彼の益々の活躍をお祈りするとともに、私はこの日本市場での大きな役割を引き継いでチームと共に邁進します。
エド・デ・ロンデ - Edo de Ronde
オランダ経済省 企業誘致局 (NFIA) 駐日代表
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